最近運動不足だなと思っていたのでちょうどいい、この機会にと渋谷から歩けるところまで歩いてみた、
それで見つけたのが六本木通りの開心亭。
昔の中国料理屋とレトロな文字で書いてあって竹の筒で作ったすだれがまるでベトナムだ。
ベトナムマックティブイ通りにある昔からやっているレトロなベトナムの中華料理店ににている。
古めかしいけれどかわいらしくてどこか懐かしいお店。
おなかはすいていなかったけれど引き寄せられるようにお店の中に入った。おなかがすいていないのでお店のカードだけでももらって帰ろうと思ったけれど、おいしそうな予感がしてならなかったのでとりあえず麺だけ食べて帰ろうと店に入った。
聞くと、「中華料理を作る自分と、アンティークを扱う姉の仕事を一緒にしたらおもしろいんじゃないかと。。」
というのが始まりだったそう。
異質なもの同士がぶつかり交わるところって面白い。
ぶつかり合うことで角が取れたり、ミックスされて新しい何かが生まれる。
なぜか古いもにひかれる。何でだろう。
六本木ヒルズ辺りにある新しい喫茶店に入っても真新しくてぴかぴかで薄っぺらい感じで、目新しくて楽しいけれどずっと長居する気持ちにはなれない。古いものに囲まれた家はなんだか自分が昔からいたような安心感がある。古いものを見ているとそれを使っていた人たちのこと、そのころのまわりの風景とか、ずっとその周りで流れてきた時間とかいろんな想像が膨らむ。
そして自分も見守られているような安心感。
ここはいろんなものが雑多に共存していて、昔の上海とかサイゴンとかそういう場所を彷彿させる空間だ。
ゆっくり調度品や壁にかかっているもの見回しているとカトリーヌドヌーブの写真を見つけた。実はこの店、カトリーヌドヌーブのお気に入りのお店らしい。
帝国ホテルに滞在していたのにわざわざ六本木にあるこの店までよくきてたんだという。
(わざわざっていったってタクシーだろうけど。。。)
そういえばこの写真に載っている同じ髪型をしたカトリーヌドヌーブ、どっかで見たな。
と思った。それはハノイにあるパン屋さん。
パン屋さんとは言っても、小学生が買い食いにくる店で
お風呂屋さんによくあるプラスティック小さなのいすに腰掛けてパンや洋菓子を食べるところ。
まさかフランスの大女優がくるなんて想像さえしないハノイのすみっこにあるふるぼけた小さなお店。
そこには彼女が来店した時の写真が大きく引き伸ばして額に飾ってあった。
ちょうどラマンの撮影の頃と思われる髪におおきく立ち上がりをつけたエレガントなセミロングの巻き髪、大女優っぽい大きな黒のサングラス。
http://www.citywave.com/tokyo/cityliv/tokusyu/021129/11.html(こんな感じ)
どう考えてもこの店に似つかわしくない。
彼女のことが紹介してある記事には
「若いときはだれしもその美しさに安住していられる。
人間は一回だけ咲く美しさで終わってしまうのではなくていくつになっても美しくいられる。」
というようなことが書いてあった。
そんな彼女がこの店が好きだった理由と帝国ホテルが好きだったことそしてこの開心亭が好きだった理由がなんかぱっちりパズルのようにつながった。
新しいものだけがもてはやされ、古くなったものはすべてきり捨てられる。
そんな世の中、すごく薄っぺらい。
カトリーヌドヌーブが言っている年をとったからこその深みのある美しさ。
長い年月を経て来た家具に囲まれ、やさしい味の中華麺をすすりながら
そんなことを考えた。
。
開心亭
昔の支那料理屋
11:30から2:00
夜6:00から11:00
107−0062
南青山7−8−1
小田急南青山ビルB1
3499−5872
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