kish island に行く前にシャングリラの中華レストラン''香宮''で腹ごしらえすることになった。
初めて食事をしたのが、シャングリラの香宮。出てくる料理すべてがとても丁寧
に作られた繊細な中華である。
その後どの中華料理店に行っても満足できない。ほかの高級ホテルの中華でさえ、そんなにおいしいとは思えない。
店によってはメニューになぜだかアジア各国の料理が入っていてラオスの麺、ベトナムの米麺などあるがどれにしても安易なフュージョン料理にありがちな中途半端な味。きっと厨房の人がフィリピン人だったり、パキスタン人だったりして、本当の味を知らないんだろうなと、勝手に想像しあきらめる。で今回またシャングリラの香宮に来た。とにかく野菜がたくさん食べたいというと今日紹介された料理は蠣皇四宝(くさかんむりに流みたいな字)
要は四種類の野菜を油でいためてからとろ火で蒸し煮にしてオイスターソースで和えたもの。と言う意味らしい。この長い文章をわずか5文字で表せるなんて漢字の威力恐るべし。。
そういえばコンサルタントをやっていた友人が言っていたのだが、プレゼンテーションの時にいつも漢字の威力を感じると言っていた野を思い出した。。資料をパワーポイントで作るとき英語だとひたすらアルファベットを結構小さい文字だらっと横に並べて書いていかなければならない。それが漢字だと2文字で終わりだったりする。しかも読むときも、感じだと一瞬見ればすぐに絵としてイメージが浮かんでくる。たしかにそうだ。漢字は視覚に訴え、アルファベッドは聴覚に訴える。そう考えるとわれわれ日本人が読んだり書いたりするのは得意なのに、しゃべる、聞くとなるととたんに弱いのはこの漢字というのがもともと視覚の言語だからじゃないかとおもったりする。
と話はずれてしまったが、ここの料理はとにかくおいしい。レシピを聞いたので一応書いておくと。
青梗菜、マッシュルーム、レタス、エンドウを炒めて蒸す。
その後にかけるソースは、鶏肉を丸ごと2,3時間煮込んだスープにオイスターソースと濃い口と薄口の醤油、砂糖少々に片栗粉を混ぜてとろみをつける。それをかける。
(このチキンスープの変わりに、昆布だしに、少しごま油をたらしたものでもいいんじゃないか。と思っている。というかレシピを聞く前はそうだと思っていた。今度試してみよう。)
ここの料理にはなんだかプライドが感じられる。小さなお皿の中にも魂がこもっているというか。神経を集中して作った料理には独特の緊張感がある。
「ここ以外のところでおいしいところがまだ見つからない。」と言うとスタッフがある雑誌を見せてくれた。なんとこの店中東の中華レストランのベスト1に選ばれたそうである。シェフのスティーブンが出てきてくれたので写真をパチリ。
このシェフ顔、ピーンと上に張ったような緊張感がある。料理に限らずプライドを持って仕事をしている人ってきっとこんな顔になるんだろうなあ。。
このシェフ、はじめは広東料理の修業をしてその後中国大陸の天津にあるシャングリラの中華料理店や香港で働き、ここに来たとのこと。来年1月までの任期のはずだったが今引き止められているらしい。
ここ中東で何が難しいって豚肉の使用が禁じられている中でどうやって、別の素材で本物の味を再現するかという問題だそうだ。確かに豚足とか、チャーシューとかシューマイとかとんこつスープとか、豚肉の使えない中華なんて中華じゃないという気もする。豚肉が使えないというのは結構致命的で、日々いろんな食材を使ってみては同じような味が出せるかどうか実験を重ねてきたらしい。